整形外科的メディカルチェックとは、運動するにあたり身体の各部位が問題なく十分に動くかどうかを確認し、必要な予防を講じるために行うものです。
整形外科的メディカルチェックは内科的メディカルチェックとは異なり、運動した時に問題なく機能するかどうかを確認するためのものです。主に「脊柱や四肢の骨格の並び方が正常かどうか」「関節の可動域」や「筋肉量」「柔軟性」「痛み」などを検査します。個々の関節について年齢や性別、運動歴や既往歴、練習時間などを考慮しながら詳しく診察していきます。現在の身体の状態を客観的に把握することでケガの予防になり、適切にアドバイスもしてくれるためパフォーマンスの向上にもつながります。
まずは問診を行い、必要に応じて検査を行います。問診では運動歴をはじめ、既往歴や喫煙、飲酒、趣味などの生活の様子や練習内容や将来の目標などを聞いていきます。その後、必要な測定検査を行います。分かりやすいようにひとつずつ検査内容を見ていきましょう。
血圧を測定し健康状態を確認します。血液検査ではコレステロールや中性脂肪、血糖値などをチェックし、生活習慣病かどうかを確認します。尿検査では尿糖などを調べます。
身体検査では上肢、下肢、体幹の脂肪や骨格筋などの体組成を正確に測定します。筋肉量の他に基礎代謝量なども一緒に測定していきます。
特殊なミラーの前に立って、姿勢や身体のバランスを確認します。
動脈硬化度と下肢の血流状態を測定する検査です。血圧測定と同じような検査で、測定時間は5分ほどです。
腰痛や骨折の原因となる骨粗鬆症かどうかを検査します。骨粗鬆症は高齢者に多いイメージがあるかもしれませんが、無理なダイエットをしている人は年齢に関係なく骨粗鬆症である可能性が高いです。骨密度検査はエネルギーの低い2種類のX線を使って測定する検査です。全身のほとんどの骨を測定するDXA法、かかとやすねの骨に超音波を当てて測定する超音波法、手の骨と厚さが異なるアルミニウム板をX線を使って同時に撮影し、骨とアルミニウムの濃度を比べるMD法、と色々ありますが、広く普及しているのは容易に計測できるMD法です。
骨の状態は眼で直接確認することができません。骨粗鬆症は痛みを感じないので自覚症状がなく、いつの間にか症状が進んでいるため、少しの衝撃で骨折してはじめて気づく人がほとんどです。その前に予防することが大切なので骨密度検査は定期的に行うことが推奨されています。